2011年02月24日
小学生のうちにすべての技術を
『なのはテニス』 さんから質問をいただきました。
以下がそのコメントの全文です。
こんにちは、いつも楽しく読ませてもらっています。
13歳の男子ジュニアの父親です。
どこのジュニアのアカデミーのコーチも、また、ネットでのジュニア育成コーチのブログでも、『12歳まで、全てのショットを身に付けることが大事』と主張されています。元をたどると、JTAのS級エリートコーチ講習会での講習内容らしいのですが・・・
これは、具体的にはどういう意味でしょう?
うちの子もそうですが、スクールでは、全てのショットを練習させられるのは以前も今も同じだと思いますが、それとは違ったことでしょうか?
もし、そうなら、具体的にどうすれば、そう(=12歳までに全てのショットを身に付ける)なりますか?
投稿者 なのはテニス 2011/02/21 13:05
私の答えです。
ヨーロッパ流のジュニア育成の理論で
現在中心になっているのが、『コーディネーション』です。
『コーディネーション』 というのはボールと自分の位置を合わせたり
ラケットをどんぴしゃり打点に持っていったり
目から入った情報を処理して腕や身体の動きに反映させる
というようなことです。
この理論の中心人物が、リチャード・ショーンボーン、という人で
エナンやクライシュテルスはこのジュニア育成システムから出てきた人たちです。
このショーンボーンさんが
JTAのS級エリートコーチ養成システムにもかかわっているのです。
さて、子供の年齢とともに、身体が成長していきます。
身体の中で、神経系の成長は一番早く始まり、一番早く終わります。
著しく発達する時期は10才くらいまでで
12才くらいまでにほぼ終わります。
簡単に言えば、小学生までに運動神経を発達させること
いろいろな技術を一通りできるようにする必要があるわけです。
テニスでなくともその神経を刺激するような動作を行っていればいいのですが
それも無いとすると
ある特定の動作や、バランスや、スピードを出すコツなど
何らかの動作が苦手な子ができる可能性が高くなるのです。
だから小学生のうちにストロークもボレーも
スライスもトップスピンも
ロブもドロップショットも
サーブでスピンをかけることもジャンピングスマッシュも
あらゆることができるようになっているといいのです。
もちろん、ある程度、できるようになればいいのであって
そのショットが完成している必要はありません。
ついでに言うと、ゲーム性を感じる楽しむ
勝負勘を養う
こんなことも神経系のうちでしょうか。
ですから、どこのコーチもスクールも
子供たちにあらゆるショットや動き方を教えていればいいのですが
意外にそうでもないのです。
なぜかというと、小学生のうちに勝つためには
特に多様な技を必要としないからです。
では、10才くらいで勝ちたかったらどんなプレーをすればいいでしょうか?
ファーストサーブを丁寧に入れ
もちろんスピンなんて要らない
ストロークを上手に続ける
無理なハードヒットはしない
ネットへはいかない
もし、成り行きでいっても、ロブがあがったら落として続ける
絶対、ジャンピングスマッシュなんかしない。
こうすれば一番勝ちに近いわけで
試合では、余計なことはしないほうがいいのです。
練習と試合で使うショットが違っていることはかまわないのです。
ところが、レッスンでも無駄なことはしない。
トップスピンのストロークとサーブ以外やらない
こんなスクールもここだけの話ですが、時々見かけます。
こうゆうふうに育ててしまっても
12才以下のトーナメントまではそれなりの成績を上げられます。
じゃあ、その後、全国レベルの高校生になったりプロになりたくなったら?
その歳になってから
トップレベルでの新規の技の習得や
斬新な動き方を身につけるというわけにはいかないのです。
まあこれは、トップレベルの技という意味で
もちろん、40才から始めたテニスでも
トップスピンを打てるようになるということは充分に可能ですが。
以下がそのコメントの全文です。
こんにちは、いつも楽しく読ませてもらっています。
13歳の男子ジュニアの父親です。
どこのジュニアのアカデミーのコーチも、また、ネットでのジュニア育成コーチのブログでも、『12歳まで、全てのショットを身に付けることが大事』と主張されています。元をたどると、JTAのS級エリートコーチ講習会での講習内容らしいのですが・・・
これは、具体的にはどういう意味でしょう?
うちの子もそうですが、スクールでは、全てのショットを練習させられるのは以前も今も同じだと思いますが、それとは違ったことでしょうか?
もし、そうなら、具体的にどうすれば、そう(=12歳までに全てのショットを身に付ける)なりますか?
投稿者 なのはテニス 2011/02/21 13:05
私の答えです。
ヨーロッパ流のジュニア育成の理論で
現在中心になっているのが、『コーディネーション』です。
『コーディネーション』 というのはボールと自分の位置を合わせたり
ラケットをどんぴしゃり打点に持っていったり
目から入った情報を処理して腕や身体の動きに反映させる
というようなことです。
この理論の中心人物が、リチャード・ショーンボーン、という人で
エナンやクライシュテルスはこのジュニア育成システムから出てきた人たちです。
このショーンボーンさんが
JTAのS級エリートコーチ養成システムにもかかわっているのです。
さて、子供の年齢とともに、身体が成長していきます。
身体の中で、神経系の成長は一番早く始まり、一番早く終わります。
著しく発達する時期は10才くらいまでで
12才くらいまでにほぼ終わります。
簡単に言えば、小学生までに運動神経を発達させること
いろいろな技術を一通りできるようにする必要があるわけです。
テニスでなくともその神経を刺激するような動作を行っていればいいのですが
それも無いとすると
ある特定の動作や、バランスや、スピードを出すコツなど
何らかの動作が苦手な子ができる可能性が高くなるのです。
だから小学生のうちにストロークもボレーも
スライスもトップスピンも
ロブもドロップショットも
サーブでスピンをかけることもジャンピングスマッシュも
あらゆることができるようになっているといいのです。
もちろん、ある程度、できるようになればいいのであって
そのショットが完成している必要はありません。
ついでに言うと、ゲーム性を感じる楽しむ
勝負勘を養う
こんなことも神経系のうちでしょうか。
ですから、どこのコーチもスクールも
子供たちにあらゆるショットや動き方を教えていればいいのですが
意外にそうでもないのです。
なぜかというと、小学生のうちに勝つためには
特に多様な技を必要としないからです。
では、10才くらいで勝ちたかったらどんなプレーをすればいいでしょうか?
ファーストサーブを丁寧に入れ
もちろんスピンなんて要らない
ストロークを上手に続ける
無理なハードヒットはしない
ネットへはいかない
もし、成り行きでいっても、ロブがあがったら落として続ける
絶対、ジャンピングスマッシュなんかしない。
こうすれば一番勝ちに近いわけで
試合では、余計なことはしないほうがいいのです。
練習と試合で使うショットが違っていることはかまわないのです。
ところが、レッスンでも無駄なことはしない。
トップスピンのストロークとサーブ以外やらない
こんなスクールもここだけの話ですが、時々見かけます。
こうゆうふうに育ててしまっても
12才以下のトーナメントまではそれなりの成績を上げられます。
じゃあ、その後、全国レベルの高校生になったりプロになりたくなったら?
その歳になってから
トップレベルでの新規の技の習得や
斬新な動き方を身につけるというわけにはいかないのです。
まあこれは、トップレベルの技という意味で
もちろん、40才から始めたテニスでも
トップスピンを打てるようになるということは充分に可能ですが。
おかげで、よくわかりました。
松原コーチが言われるようなことは、育成系?で最近、急に猫も杓子もやらせているという状況です。コーチたちが最近、急に『本当に大事なのは、打ち方ではなくて、コーディネーションなのだ』といい始めたのも、松原コーチの説明でうなずけます。
最近、急に、プレー&ステイというフェルトボールと小さくコートを分けて試合をさせたり、アップにはサッカーや鬼ごっこをやらせて、『コーディネーション能力を発達させるのが世界基準だ』と親たちにも説明しています。
僕的には、『12歳までに全てのテクニックをマスターする』というのは、『12歳くらいまでに松原コーチのブログに書いてあるような技術を(完璧でなくても)マスターすること』だと思っていますが、どうなのでしょうね?
お時間のあるときで結構ですので、コメントいただけたら嬉しいです。
また、僕もなんちゃって技術オタクなので、これからも色々と質問させていただきたいと思っています。
よろしく、お願いします。