2010年11月19日
体重移動のお話
『うそほんと』 さんから体重移動について質問をいただきました。
ちょっとマニアックな内容ですが今日はこれ。
実用的な要素を重視して考えてみます。
以下がそのコメント、全文です。
いつもお世話になっています。
各ショット体重移動の質問です。
(ちょっとまとまっていなくて長文になりそうです)
フォアハンド右利きの場合ですが、クロスに打つ時右後ろに、逆クロスに打つ時左後ろに体重移動というか鋭く飛ぶとスイングが走ると思うのですが。
これは上下(上に跳べば下向きのスイング・沈み込む様にトップスピン)にも言えますか?
打ち込みやスライスは飛んだ方が振りやすく、もちろん飛んでトップスピンをかける事等も良く有りますが沈み込んだ方が目線の安定以外にスイングが邪魔されず安定する様な気がします。
それとも、特に気にしなくても良いでしょうか?
全体のショットの話に戻りますが、スイングと逆方向に体重移動するのはスイングを走らせたい全てのショットに有効でしょうか?
よろしくお願い致します。
投稿者 うそほんと 2010/11/15 15:46
私の答えです。
反対方向に体重移動をすると鋭く振れるというのにはちょっと誤解があります。
俗に運動連鎖と呼ばれるのですが
動きが止まったり、加速したりするときに力の伝達が起きるのです。
方角的には加速する方向の反対側です。
ですからご質問にある、「逆クロスに打つ時左後ろに体重移動」 という使い方をするわけです。
また、ブレーキを掛けて動きが止まるのは、動きに対しマイナス方向の加速度を掛けたわけです。
これは野球でホームランを打つときの体重移動のやり方です。
さて、横方向はクロス、逆クロスの打ち分けやハードヒットにも有効です。
ご質問の上下方向にはどうでしょうか?
バックのスライスを打つときに伸び上がりながら打つようにするとラケットが走ります。
押していくとドロンとしたボールになりますね。
トップスピンはどうでしょう?
プロは余裕がある場合、跳びあがって打ちます。
ひざを伸ばしていき、伸びきって止まったところで(空中ですが)
腕を振り切ります。
天井に左手を掛けて止めるといいのですが、天井が無い。
ですからできるのはこの程度。
それと試合では高い打点で打ちたいので、しゃがんだら損です。
それにもともと低い打点は力が入りやすいのでしゃがむ必要はないと思います。
軸を垂直に保つという安定度の要求からもしゃがまないほうがいいと思います。
もししゃがむのが有効なら、プロはみんなそうしているでしょう。
ラケットを走らすショット全体でいえば
上体の回転を止めるなどの、スイングと逆方向に(体重移動ではなく)加速するのは
すでに、すべてのショットでやっているのではないでしょうか。
最後に、技術の要素を考えるときに
テニスのおかれている条件 (ラケットやボールの重さなど)
実戦での要求 (時間や打点の高さなど)
を考えてみればおのずと結論がでる場合が多いと思います。
それと、それを一番厳しい条件でクリアーしているのがプロのテニスなので
プロがやらないことはたいてい、無理か無駄な場合が多いと思います。
ちょっとマニアックな内容ですが今日はこれ。
実用的な要素を重視して考えてみます。
以下がそのコメント、全文です。
いつもお世話になっています。
各ショット体重移動の質問です。
(ちょっとまとまっていなくて長文になりそうです)
フォアハンド右利きの場合ですが、クロスに打つ時右後ろに、逆クロスに打つ時左後ろに体重移動というか鋭く飛ぶとスイングが走ると思うのですが。
これは上下(上に跳べば下向きのスイング・沈み込む様にトップスピン)にも言えますか?
打ち込みやスライスは飛んだ方が振りやすく、もちろん飛んでトップスピンをかける事等も良く有りますが沈み込んだ方が目線の安定以外にスイングが邪魔されず安定する様な気がします。
それとも、特に気にしなくても良いでしょうか?
全体のショットの話に戻りますが、スイングと逆方向に体重移動するのはスイングを走らせたい全てのショットに有効でしょうか?
よろしくお願い致します。
投稿者 うそほんと 2010/11/15 15:46
私の答えです。
反対方向に体重移動をすると鋭く振れるというのにはちょっと誤解があります。
俗に運動連鎖と呼ばれるのですが
動きが止まったり、加速したりするときに力の伝達が起きるのです。
方角的には加速する方向の反対側です。
ですからご質問にある、「逆クロスに打つ時左後ろに体重移動」 という使い方をするわけです。
また、ブレーキを掛けて動きが止まるのは、動きに対しマイナス方向の加速度を掛けたわけです。
これは野球でホームランを打つときの体重移動のやり方です。
さて、横方向はクロス、逆クロスの打ち分けやハードヒットにも有効です。
ご質問の上下方向にはどうでしょうか?
バックのスライスを打つときに伸び上がりながら打つようにするとラケットが走ります。
押していくとドロンとしたボールになりますね。
トップスピンはどうでしょう?
プロは余裕がある場合、跳びあがって打ちます。
ひざを伸ばしていき、伸びきって止まったところで(空中ですが)
腕を振り切ります。
天井に左手を掛けて止めるといいのですが、天井が無い。
ですからできるのはこの程度。
それと試合では高い打点で打ちたいので、しゃがんだら損です。
それにもともと低い打点は力が入りやすいのでしゃがむ必要はないと思います。
軸を垂直に保つという安定度の要求からもしゃがまないほうがいいと思います。
もししゃがむのが有効なら、プロはみんなそうしているでしょう。
ラケットを走らすショット全体でいえば
上体の回転を止めるなどの、スイングと逆方向に(体重移動ではなく)加速するのは
すでに、すべてのショットでやっているのではないでしょうか。
最後に、技術の要素を考えるときに
テニスのおかれている条件 (ラケットやボールの重さなど)
実戦での要求 (時間や打点の高さなど)
を考えてみればおのずと結論がでる場合が多いと思います。
それと、それを一番厳しい条件でクリアーしているのがプロのテニスなので
プロがやらないことはたいてい、無理か無駄な場合が多いと思います。