2011年12月03日
エッグボールとは
『左利きスピンサーバー』 さんからコメントをいただきました。
その中で、エッグボールについての質問がありましたので
今日はこの話。
以下がコメント中のエッグボール、質問部分です。
・・・ ところで、雑誌関連で思い出したのですが、コーチはエッグボールという言葉、勿論ご存じと思いますが、どう考えていらっしゃいますか?個人的には高速なトップスピンだと思っているのですが…。どこかのサイトで見かけた「ネットスレスレに飛び、トップスピン以上に高く跳ねる」というような軌道は物理的にあり得ないのではないかと…。跳ねさせるには高い所から落ちていく必要がありますよね?
雑文、申し訳ありませんが、ご一読いただけますと幸いです。
投稿者 左利きスピンサーバー 2011/12/03 00:02
私の答え。
エッグボールというのは
ゆで卵を長軸方向に切って、その輪郭のような弧を描いて
スピンなのに、超高速で飛ぶフォアハンドのボール
と理解しています。
ナダルのフォアのことですよね。
トップスピンのバウンドが高い理由ですが
そのスピンがコートを蹴って高く跳ね上がる
と思っている人も多いようです。
このコメントの通り
そんなことはありえません。
本当の理由は
トップスピンのボールは
コート面に落ちる時の入射角が小さいこと。
この入射角という物理の言葉も誤解が多くて
垂直に当たる場合に、入射角がゼロといいます。
つまり、コートすれすれに低空飛行してくるボールは
入射角が大きい、という言い方をします。
これは参考までに、ネットで見かけた
光の反射の絵です。
テニス用には逆立ちして見てください。
さてそんなわけで
トップスピンのボールはフラットやアンダースピンのボールに比べて
飛行中、急激にコート面の方向に曲がり、落下していきます。
つまり入射角が小さく、反射角も大きくなり
高く弾むことになるわけです。
もちろん曲がっても、落ちてもネットしないよう
充分、高い軌道に向かって打ち上げられるのです。
高いところを飛ぶので、エッグなのです。
低いところを飛んだら、ハムでしょうか?
ベースライン同士の打ち合いの場合
普通はネットすれすれには打ちません。
ナダルのエッグボールの場合
その高い、弧を描いた軌道に加えて
すごいスピードも乗っています。
バウンド後も再び、卵形の軌道を描いて
吹っ飛んでいくのです。
ヨーロッパや南米のクレーコートプレーヤーは
トップスピンの応酬になるため
お互いに、肩より上の打点で
平然と打ち合っています。
日本で低い打点でばかり打っていると
この対応が難しいのです。
砂入り人工芝コートが
選手育成の観点から反対される理由の一つです。
ところで高く弾むはずのボール
一人、伊達さんだけが
ライジングで涼しい顔をして打ち返しています。
昔、彼女がトップスピナーたちを
カモにしていたのを思い出しました。
伊達スタイルで行くか?
いっそ、グランドスマッシュで行くか?
ちょっと話が逸れました。
今日の話のような
物理的にはあり得ない、迷信のような話
結構ありますよね。
たまに取り上げると、面白いかもしれませんね。
その中で、エッグボールについての質問がありましたので
今日はこの話。
以下がコメント中のエッグボール、質問部分です。
・・・ ところで、雑誌関連で思い出したのですが、コーチはエッグボールという言葉、勿論ご存じと思いますが、どう考えていらっしゃいますか?個人的には高速なトップスピンだと思っているのですが…。どこかのサイトで見かけた「ネットスレスレに飛び、トップスピン以上に高く跳ねる」というような軌道は物理的にあり得ないのではないかと…。跳ねさせるには高い所から落ちていく必要がありますよね?
雑文、申し訳ありませんが、ご一読いただけますと幸いです。
投稿者 左利きスピンサーバー 2011/12/03 00:02
私の答え。
エッグボールというのは
ゆで卵を長軸方向に切って、その輪郭のような弧を描いて
スピンなのに、超高速で飛ぶフォアハンドのボール
と理解しています。
ナダルのフォアのことですよね。
トップスピンのバウンドが高い理由ですが
そのスピンがコートを蹴って高く跳ね上がる
と思っている人も多いようです。
このコメントの通り
そんなことはありえません。
本当の理由は
トップスピンのボールは
コート面に落ちる時の入射角が小さいこと。
この入射角という物理の言葉も誤解が多くて
垂直に当たる場合に、入射角がゼロといいます。
つまり、コートすれすれに低空飛行してくるボールは
入射角が大きい、という言い方をします。
これは参考までに、ネットで見かけた
光の反射の絵です。
テニス用には逆立ちして見てください。
さてそんなわけで
トップスピンのボールはフラットやアンダースピンのボールに比べて
飛行中、急激にコート面の方向に曲がり、落下していきます。
つまり入射角が小さく、反射角も大きくなり
高く弾むことになるわけです。
もちろん曲がっても、落ちてもネットしないよう
充分、高い軌道に向かって打ち上げられるのです。
高いところを飛ぶので、エッグなのです。
低いところを飛んだら、ハムでしょうか?
ベースライン同士の打ち合いの場合
普通はネットすれすれには打ちません。
ナダルのエッグボールの場合
その高い、弧を描いた軌道に加えて
すごいスピードも乗っています。
バウンド後も再び、卵形の軌道を描いて
吹っ飛んでいくのです。
ヨーロッパや南米のクレーコートプレーヤーは
トップスピンの応酬になるため
お互いに、肩より上の打点で
平然と打ち合っています。
日本で低い打点でばかり打っていると
この対応が難しいのです。
砂入り人工芝コートが
選手育成の観点から反対される理由の一つです。
ところで高く弾むはずのボール
一人、伊達さんだけが
ライジングで涼しい顔をして打ち返しています。
昔、彼女がトップスピナーたちを
カモにしていたのを思い出しました。
伊達スタイルで行くか?
いっそ、グランドスマッシュで行くか?
ちょっと話が逸れました。
今日の話のような
物理的にはあり得ない、迷信のような話
結構ありますよね。
たまに取り上げると、面白いかもしれませんね。
トップスピンは入射/反射角の関係なのですね。上手に頭が整理された気がします。