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松原コーチのテニスクラブ日記 テニス技術の解説者でもある松原コーチがテニスクラブでの指導等を通じて、感じたことやテニスの技術解説、テニス人生の楽しさを伝えていく。

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シングルスの敗因

先日の東戸塚校の男子オープンシングルス大会
惜しくも決勝で敗れた、中沢さんからコメントをいただいた。

決勝戦での流れについて
私の考えを聞いてくれたものだ。

こうゆう考え方もあるということを
知るのも、もしかしたら他の人の役に立つかもしれないので
だらだらと書いてみた。

質問のコメントは、3つに及び、かなり長いのだが
削っちゃうとわかりにくいので、すべて以下にコピーした。


マイク 決勝で巻き返された中沢です(苦笑)昨日はありがとうございました。いつも参加させていただいてますが、この大会は勉強になります。(※また初めて同伴した我がチームのメンバーも、大会のホスピタリティに満足していました) 
消化試合数と予選のタフさ加減で、私の方が体力的に余裕があることがわかっていました。また決勝の相手には過去2回負けており、上級な力量であることもわかっていました。
せっかくの決勝で恥ずかしい試合をしたくない気持ちは少しはありましたが、こちらが失うものは何もないので、相手を受けるのではなくて、チャレンジしてゆくことを意識していました。序盤はストローク力で劣る自分が左右に大きく振り回されないよう、ラリーのボールをセンターに深く集めることを作戦としていました。(続く)

投稿者 中沢亮 2012/01/10 19:15

マイク (続き)
相手の得意なハードヒットな打ち合いを避けて、長いラリーを嫌がった相手のボールが短くなった際に、その時点で打てるコントロールショットを使って、体力を奪うためにもサイドや前後へ走らせることを考えていました。(特に私のバックハンドのスライスショット)特にリターンゲームの際は、結果としてゲームが取れなくても、長いラリーを心掛けて、体力をどんどん奪って終盤のプレッシャーがかかるゲームで、勝負をかけようと考えていたと思います。

また、当日は自分のサーブの調子は良いほうだったのですが、リターンミスでのポイントがほとんど期待できない相手とわかっていたので、1stサーブの確率を重視してキープすることを優先して取り組んでいました。

よく覚えている場面は、ネットに出てきた相手の正面に放ったバックハンドの何でもないチャンスボールを、ウォッチして自分のポイントになった際でした。「あれだけの上級者も、疲労があって、過去に勝ったことのある相手への“負けられない”等のプレッシャーもかかっているんだろうな」といった心理状況を把握できました。そのせいだったのかわかりませんが、試合中盤にかかる頃合いで、望外なブレイクを得ることができました。

投稿者 中沢亮 2012/01/10 19:15

マイク (続き)
問題はここからで、上手く進んでいた作戦を変えずに中央に深くボールを集めるつもりが、振りが鈍ったのかこちらのミスが増えてゆきました。

3-2での40-40を取られた際は「このレベルの相手は簡単には勝たせてはくれないので、ここからまたやり直しだな」と。決して「追いつかれてしまった↓」と気落ちはしていなかったつもりなのですが、振りかえってみるとスコア3-3からの7ゲーム以降は記憶が鮮明でないことから、追いつかれて軽いパニックに陥っていたのかもしれません。

7ゲーム目以降の取り組むべきだったことは、もう少しのラリーでの強打と、積極的にネットへ出ることでプレッシャーへ増やして、消沈した相手へ対して嵩にかかって攻めておいた方がよかったのではないかと反省しています。
(※日頃の試合では、短いボールを相手のバックに叩いて、ネットを取って逆サイドへボレーといった特典パターンが多いためです)

試合をご覧になっていただいた中で、アドバイスなどあれば有難いです。

※せっかく取り上げていただいたので、個人的な問い合わせでなく敢えてBlogへ投稿させてもらいました。長文、失礼しました。

投稿者 中沢亮 2012/01/10 19:16






私の答えです。

スマイル 試合の進め方というのは、結論が出てから
たら、れば、で考えれば、色々思いつくのですが
試合前や途中でしっかりと方針が決まるのはとても難しいことですね。

最初にきちっと方針を決めて取り掛かったところはさすがだと思います。

その方針の中で
「相手を受けるのではなくて、チャレンジしてゆく」
とありました。

これが貫けていれば、 ・・・

チェンジ


なぜ、貫けなかったのかというと
相手が序盤、勝手にこけたからでしょう。

攻める気持ちで試合に入って行ったのに
相手が疲労とウォームアップ不足で動きが悪く
勝手にエラーを重ねた。

エラーの多くないはずの相手が勝手にエラーしてくれる。

するとついついこちらも
攻める気持ちから、エラー待ちの姿勢に変わっていく。

これはフラット気味にたたいていたころでしょうか。

これはフラット気味


一番はっきりわかるのは
バックハンドのスライスの比率。

どんどん増えて行き
後半はほとんどスライス。

なまじスライスが上手いだけに
ついつい頼ってしまう。

そのころ、相手は強引なハードヒットでは勝てないので
もちろん繋ぎ合いだけではらちがあかない。

チャンスボールが来たら、ネットへという作戦になりました。

途中でそのように方針変更したのか
こちらが消極的なボールで
その形を引き寄せちゃったのかはわかりません。

そのまま最後まで行っちゃったのではないでしょうか。


この話の結論は
相手の様子によらず
攻めの姿勢を変えてはいけないということだと思います。

テニスの試合は、スコアブックをつければ
かなりの比率がエラーです。

だからエラーしなければ勝つ、というのはちょっと違います。

今回の準決勝以上のレベルだと
ちょっかいを出さなければ相手はエラーしないと思います。

攻めの姿勢や、エースのなりかけがあいてエラーを誘うのです。

序盤の相手エラーも
あなたが相手だからエラーしたのです。
相手がヘボなら
もう少し、安全なボールで様子を見ながら調子を上げて行ったでしょう。


攻めるといっても、無謀なハードヒットを仕掛ける必要はありません。
チャンス待ちでもいいのです。

ただ、エラー待ちはいけません。

相手より早く、チャンスをつかんで仕掛けなくてはいけないのです。
もう少し、積極的に振り回したほうが
エラーも、疲労も誘えたかもしれませんね。


特にバックハンドの場合
スライスで続けて、パスだけはトップスピンというのは難しい。

途中積極的にトップスピンで攻撃していれば
いざというときのパスも打てると思います。



最後に、サーブです。

中沢さんのサーブ


これは良い姿勢ですね。


中盤、トスが低くなったのでしょうか
なぜかダブルフォールトを連発していました。

身体がしっかり伸びて打っていなかったように見えました。

もちろん、ファーストが入ればダブるわけは無いのですが
逆なような気がします。

ファーストで攻めるつもりなら
姿勢がよくなって
セカンドはしっかり入っていたのではないでしょうか。

もちろん良い姿勢で
ファーストをきちっと入れてもいいのですが。


まあ、これも、タラ、レバの世界です。


これは優勝した澤田さんのサーブ。

どちらも良い姿勢ですよね。

澤田さん



勝手な感想を書きました。
どんなことを考え、感じながら試合をしているかは
本人以外にはわかりません。

もし、こんな勝手な感想がお役に立てば幸いです。

まだまだ、上手くも強くもなれると思いますので
がんばってください。

うちにも練習に来てくださいね



試合等 | 投稿者 松原コーチ 13:56 | コメント(3) | トラックバック(0)